事業は永遠ではない
これから夢をもって会社生活をしていこうとする就活生へのキャリア教育「就活準備塾」の講義の中で、その夢に水を差してしまうかもしれない厳しい企業の現実をお話ししています。それは「どんな事業であっても永遠の命は持ち合わせていない」ということです。
既存事業の「現在」の立場から言えば、厳しい現実ですが、大局的に「過去」「現在」「未来」という流れを見る立場をとれば、 既存事業が収束していくことは より優れた未来への進化のプロセスとして前向きに捉えるべきものとも言えます。
EPSONでの私のキャリアの締めくくりは 研究開発本部の開発戦略室という部署でした。かつては「世界初!」を連発していた企業です。残念ながら、近年はかつてほどメディアに取り上げられている記事は目にしませんが、今も特許出願件数は日本ではTOP10に入っているようです。 そんな環境もあって、「イノベーション」「新規事業」という分野についても多くを学びました。事業の成長曲線についてはもともと「就活準備塾」で就活学生向けに話していましたが、その後、新人導入研修や若手研修で何度も語っています。
ここを抑えている企業は 持続のための投資を自ら行う努力を続けています。 大企業の下請けだから必要ないなどと言っておれませんよ。 例えば内燃機関のエンジンが無くなれば その製造にまつわる機構・部品はそのままでは必要なくなってしまいますので。
あなたの企業での備えの取組みは大丈夫でしょうか?
最近では 広い分野で「〇〇Tech」といって、DX(デジタルトランスフォーメーション)のテクノロジー進化による新しいサービスが次々にデビューしています。昔と大きく異なるのは そういう仕組みを生み出すのが 大企業の専売特許ではなく、スタートアップのベンチャーが次々に世の中に現われきていることは皆さんもお気づきだと思います。
業界に関わらず、どんな業容の企業も 次のような課題に悩みを抱えているのではないでしょうか?
- 業績の頭打ちが続いており、再成長のきっかけが必要だ。
- 自社の競争優位性が薄れてきており、昔のように売れない。
- ビジョンや中期計画を作ったはいいが、未達を確認するばかりだ。
- 方針や戦略を掲げても 現場展開で行き詰まり、理想通り進まない。
- 仕事の目的が 社員間でバラバラなままお客様が誰なのか見失っている。
- 働き方改革を進めることが 業績停滞に影響する懸念を感じている。
本音の議論が社内にどれほどありますか?
「解」への道を切り開くのは経営陣の使命です。ただ、VUCAの時代、社内にも価値観の異なる世代が入り混じっている時代の唯一のアプローチ方法は とことん「対話」することだと思っています。「考えること」、「違いを理解しようとすること」、「共有すること」「共感すること」、「アイデアを披露すること」・・・
これらは 対話によって創り出せる企業革新(持続と発展)のための超重要キーワードです。
そうは言っても、社内には社長以外は 現場要員しかいないし、社長自身も現場プレーヤーの一人なので 「事業の未来についての本気の対話」なんて言われても・・・といことで 一人で抱えてしまっている社長さんがとても多いとみています。 私自身もそうなのですが、一人仕事になると往々にして結局「成り行き任せで何も生んでいない」という反省に至るパターンから脱却できません。
「外に学びに行こう!」といって、経営者同士が集まる組織・団体・コミュニティに参加したりしてみますが、私も入ってみると とても短い時間に総論・感想を互いに言い合っておしまい。という繰り返しが続いているという物足りなさが残ります。 そういうコミュニティの存在意義は「互いに学ぶ」であって、「直接の課題解決」というものではないことに留意が必要だと思っています。
本音で、じっくり、トコトン、各論に突っ込んでいかないと 新事業創出・本業の革新などという大テーマはブレイクスルーできわけがないと感じています。
皆さんはそういう機会での学びを重ねていくだけで満足されているのでしょうか?
壁打ちするにも 「壁役」が要る
さあ、今から未来構想検討ワーキンググループを始めましょう。 社長さん以外に声を掛けられるメンバーが居なければ、 エクポが壁打ちパートナーをお引受けします。
数名でもワーキンググループのメンバーが社内におられるようでしたら、エクポが進行役やディスカッションのファシリテーターをお引受けします。
繰り返しになりますが、「社長!一人で悩まないでください」