HRプロ人財とは多様な社内課題に取組む「人・組織」の専門家のこと

営業、新規事業、製造現場等々、どこでも社員の誰かが頑張っている。成果創出は人・組織次第

 HRプロ人財というと 人事部に長くいた人と思われがちだと思いますが、社長がやるべき仕事の現場実践を積んだ人の意味で使っています。 人や組織の人事マネージメントをしていない社長はいないからです。 

 私の本当に多様なキャリアで言わせていただくと、 社員の皆さんはそれぞれの所属部門で上位方針に基づき、アサインされた職務で成果を出そうと日々頑張っておられます。そして彼らには上司・マネージャーの役割にあたる人が共にいて、組織・チームとして活動しています。 それは営業部も、マーケティング部も製造現場も、事業開発部門でも、間接業務部門でもすべて構造は同じです。 そこは所属する「人」と分科分掌で構成された「組織」があるというカタチです。

 HRプロ人財は 給与計算や勤怠管理、健康管理といった日常オペレーションの経験だけでなく、また、採用(新卒・中途)、研修・育成などの特定のいわゆる「人事らしい」職務の経験・知見もさることながら、 会社の理念実現や部門方針からの部門目標達成に必要な解決すべき課題にそれぞれに取組むチーム・構成メンバーの問題解決能力を最大化させることが最大の使命と捉え、そのための理論や実践知等を吸収し、使いこなす人です。

 ですので、HRプロ人財は 営業の生産性を上げるための課題解決も 新規事業が社内で芽吹く取組でも 煩雑な業務に疲弊している間接部門でも あらゆる課題に そこに居る人とマネージャーそして経営層と協働で知恵を絞り問題解決にあたり、当時者らが課題解決の実プロセスを原体験することを通じて、成長を促します。 自分たちでできるように。

新規事業創出という課題で考えてみましょう

 長く製品として多くの顧客に愛されてきた商品・製品も やはり、技術の進化、時代の移り変わり等によって、陳腐化してしまうことは 「事業の成長曲線」のセオリーの通りであることを理解できない人はおられないと思いますが、 あらたな収益モデルはどうすればいいのかについても 業種業態に関わらず、各社が悩む大問題ですよね。

 そんな課題へのアプローチは下図のように 四つのタイプに分けられます。

①は そのテーマをミッションに 公式・非公式を問わず、専任をアサインする「生む」を使命とする組織・チームを編成するやり方です。 本社機能に位置付けられている研究開発本部等も 上位方針として予算・人員を投入して取り組む「生むための組織」です。

②は いづれ組織化するにしても アイデア自体は 広く、制約をとって募るというアプローチです。 何しろ新事業というのは ”せんみつ” と言われているほど 1,000のアイデアからまともなのは3っつ程度という0.3%の出現率ですから、数がないと困るわけです。

社内に 起案の素を求める①②のアプローチを考えてみましょう。 皆さんも過去に取組んだことがあるかもしれませんね。結果はいかがでしたか? 良い出口が見つかった方は祝福いたします。 しかし、大半の経験企業の皆さんは 期待ほど成果につながらなかったのではないでしょうか。 私もその残念な経験者です。 

結論を先に言います。 上手くいかない理由は 「人」の取扱いが上手ではないからです。

①HOWを考えるのは得意だが、WHY,WHATを考えられる人が少ない。

②ただでさえ少ないWHY/WHATの人の言っていることがよくわからない。

③MUSTでもないことをやる意味がわからない。それこそ何のため?

④そういうことを考えること自体がストレスと感じる

⑤せっかく前向きにアイデアを出しても 「ショボい」と一蹴され、やる気を削がれる。

⑥人のアイデアも心から「スゴイ」と思うものはほとんどない。

⑦必要だと思う人本人がやればいいと思う。

そうです。 人に「行動」を求める場合は、その人の「思考」が起点になっているという自然科学のセオリーを軽視していては徒労に終わることが目に見えています。 ここに「人の動機付け」というHR科学を取扱うミソが必要になってくるわけです。 新規事業創出もアイデア出しのフェーズだけでこれですから、 実現可能か、儲かるかどうかも分からないまま他人に長期にわたって高いモチベーションを持続させるなどは相当 難しいということなわけです。 人は感情の生き物、組織にも感情があります。 新規事業だけでなく、営業でもマーケティングでも製造でも その感情に寄り添えない施策の成功確率は決して高くありません。